住宅内覧会同行検査を活用して良かったと感じる要素!

住宅内覧会

住宅内覧会時には「不具合の存在」を念頭にチェックが必要

住宅の内覧会が行われるピーク季節もやっと終わりました。新築住宅(マンション、戸建て住宅)の引き渡し時期はなんといっても毎年年度末(1月~3月)がひとつのピークとなっています。

他の季節とは異なり、この年度末(1月~3月)に引き渡しとなる物件には、多くの問題点が存在している傾向があります。

基本的に、一番の要因となるのは販売者側の都合(年度内決算の問題)によって、多少無理な工事工程でも年度内(3月)に引き渡しを完了してしまいたいという思惑から、突貫工事となってしまいやすいということです。

その結果として必然的に「建物の不具合」「施工不良」が多々発生することに。

これは施工担当者の立場からすれば、もともと無理な工期設定の中では、無理もないことと感じているわけですが、購入者側にとっては大きなリスクを抱えることになりますよね。

私も建築士としての経験から、このような状況が生まれるのは、「施工担当者の力量」以前に、「販売企業の問題(姿勢)」が最大の要因となっているものと認識しています。

住宅建設という要素は、複数の関係者(施工担当者、販売企業、各職人、不動産業者など)が存在して成り立っている要素。

それゆえに、そのいずれかの技量・力量が不足していただけでも、住宅の不具合や施工不良が生じてしまうわけです。

ある意味、「ちょっとした施工不良、不具合は内覧会時点で高い確率で存在しているもの」と考えた上で対応していく必要があるのではないでしょうか。

施工担当者の技量(対応能力)が最も重要。2015年1月~3月期間の体験検証。

施工不良

人の行いには、かならずミスは発生するものです。住宅工事に関して、多くの関係者が携わっていますので、多少のミスは必ず生じているものなんですよね。

そこで重要になるのが、そんなミスをいかに早めに発見することができるか、及び施工不良などに対して、適切な処置・対応をすることができるかということです。

ゆえに、最も重要になるのが『施工担当者(工事監督)の技量』ということになります。

会社規模の大小に関わらず、その住宅が良きものとなるのか、不具合が内在した住宅となってしまうのかは、結局のところその現場を担当した施工担当者(工事監督)の技量によって大きく変化することになってしまうんですね。

住宅の作りが上手い・ヘタといった要素や施工ミスの多い少ないという要素は、各職人の技量により左右されることになります。

しかし、それらの施工ミスをいかにして、発見し、きちんと修繕した状態で購入者に引き渡せるか(内覧会を迎えることができるのか)は、施工担当者の技量によって左右されることになるわけです。

そんな施工担当者の技量(良しあし、対応力の有無)がわかる機会のひとつが、内覧会時の対応なんですね。

キズや汚れが目立つとか、施工不良が目立つから施工担当者の技量が低いというわけではありません。(そういう要素は職人の技量によって大きく変化しますので)

重要なのは、「施工不良と思える要素に対して、的確に判断できるか」「施工不良の修繕要望に対して、真摯に対応するかどうか」といった要素です。

正直、建売戸建住宅の場合は、施工不良に対して、積極的に修繕対応ができない(修繕を嫌がるような態度が見えるなど)といった施工担当者が案外多いもの。

例えば、2015年1月~3月に私が担当した内覧会同行検査において、施工担当者の技量(主に対応の的確さ)を見極めると、『高い技量を有した施工担当者と感じた割合:10%』『可もなし不可もなし(及第点を有した)と感じた施工担当者割合:30%』『技量・対応力に問題がある(実際に、施工不良も存在)と感じた施工担当者割合:60%』といった数字となっています。

まあ、この割合は年度末期間(1月~3月)であったことから、対応力に問題のある施工担当者割合が多くなっている・・そんな傾向はあるものと思います。

たぶん、これらの中には、本当は施工担当者としての技量も及第点以上なのに、年度末ということで、会社側の都合(無理やりでも3月中に引き渡しを完了させるという強い意向)があることから、不本意な対応とならずにおえなかったという施工担当者も一定割合存在しているものと思われますので。

戸建住宅に関していえば、他の期間(期末月などを除いた期間)なら、『技量・対応力に問題があると感じる施工担当者割合』も平均40%程度といった感じとなるかと思います。

*実際に修繕が必要な施工不良・施工ミスは戸建住宅において、約60%の物件で存在していました。

 内覧会同行検査を活用した利用者(住宅購入者)の感想。サービス利用をして良かったと感じた要素。

内覧会同行検査を活用した利用者(住宅購入者)の感想

戸建住宅と比較して、新築マンションのほうが修繕する必要がある「施工不良」「施工ミス」が少ない傾向があります。

ゆえに、新築マンションの内覧会に建築士などによる立会い検査を活用したときに、結果として修繕するべき施工不良などが無かったという場合には、「内覧会同行検査を活用しなくても良かったかも」と思う方もいるかもしれませんよね。(笑)

でも、そんな修繕対象となる不具合がなかったとしても大半の方は、「安心感を得られた」ということで、サービス(内覧会立会い検査)を活用して良かったと感じていただけているようです。

そんな内覧会同行検査を活用した結果として、多くの方が感じた感想(サービスを活用して良かったと感じた要素の中でとても重要なポイントを抜粋)をご紹介したいと思います。

1).自分たちでは絶対発見できなかったと思える施工不良の指摘と修繕方法及び対応フォローがあったこと。

特に「施工不良」「施工ミス」が見つかった物件においては、ほぼ100%の方が感じていた感想であり、これが専門家(建築士など)を内覧会に同行することの最大のメリット(強み)と言える要素となっていると思われるのが、『自分たちでは発見できなかったと思える施工不良の指摘と修繕方法及びその後のフォロー』という要素です。

「施工不良の指摘」ということだけだったら、そこまで印象的な感想とはならないのかもしれませんが、ポイントとなるのが「施不良の程度の見極め」と「施工者との修繕に関する折衝」に関してです。

例えば、建具(ドア)と壁との間に多少の隙間があった場合、その隙間は「単にシール処理忘れで、シール処理を施せば良い状況」なのか、「建具の取り付け方法や躯体状況に問題が根幹的な問題があって、隙間が生じていた」のかを適切に見極める必要があるんですね。

これを見極めるためには、「建具(ドア)はどのような構造で取り付けられるべきなのか、正しい施工方法(納まり)がどうあるべきなのか」といった専門的な知識が必須となるわけです。この知識がないと施工不良なのかどうかが判断できないんですね。

そんな状況の場合、一般的には施工者が詳細に状況確認することはあまりありません。基本的には単純に「シール処理」で対処してしまうものです。

施工者側・販売者側は基本的に「大きな問題ではない(施工不良ではない)」といった視点で見てしまいやすいので。

そのように、「施工不良がどうか、施工不良の程度」を施工者に対して、意見具申する中で対応方法を折衝していくこと・・・これが、内覧会同行検査サービスを活用した人が最も良かったと感じる要素となっているようです。

状況によっては、施工不良の修繕の交渉がなかなかまとまらない(時間をかけて折衝が必要となっていく場合)も少なくありません。

そんな時、内覧会日以降であっても私の場合は、電話やメールなどで、相談対応をさせていただいています。自分たちだけでは、施工者・販売者と交渉していくのがとても心細いと感じる方もいるようで、そんな相談フォローも含めて良かったと思っていただけるようです。

施工不良

2)初対面の施工者や販売担当に気が引けて、なかなか修繕の依頼が出来ないかもという不安が解消された。

これは、住宅購入者の性格などによって感じ方には大きな違いがあるものと思いますが・・それでも、案外多くの方が感じていただいた感想のひとつに、「初対面の施工担当者や販売担当者への交渉が強く出来ない・・という不安が解消された」という要素があります。

販売営業担当者とは、それまでの住宅購入手続きなどを通じて、親しくさせていただいていたこともあって、内覧会当日にも、「あまりことを荒立たせたくない」といった、先方への優しい心遣いから、修繕指摘が思ったように出来ないかもと思われる方も少なくないようなんですよね。

確かに、「修繕依頼」を行う上で注意が必要なのは『クレームを付ける』ことと『施工不良の指摘を伝える』ということは、一見同じように感じるかもしれませんが大きく相違する要素があるということ。

「本来どのようになっているべきなのか」「施工不良と言える(考える)理由」などをきちんと相手(施工者、販売者)に伝えて、双方納得した形で施工不良の有無を確かめるというのが、最善な対応とんるものです。

本来どのようになっているべきかを知らずに、しかも施工不良と考える理由を伝えないまま、一方的に「これでは嫌だ」と思いを伝えるのは、クレームですので。

内覧会時に必要となるのは、『施工不良の指摘を伝えること』であることを忘れないようにしていただければと思います。そういう視点から考えても、適切に指摘を行えるかどうかか不安と感じる方もいるようです。

指摘を伝えるときに、まずは同行立会人(建築士など)に思いを伝達。それが施工不良であるかどうかを判断してもらってから、あらためて指摘を施工者に伝える(もしくは、建築士などから指摘を伝えてもらう)ことができる・・・それがとても、安心感のある内覧会となったと感じていただけるようです。

当事務所(BAUMPLANNING)で行っている内覧会同行検査に関連して、ご質問やお申込みなどがありましたら、こちらの お問い合わせ(メールフォーム)からお気軽にご相談いただければと思います。また、内覧会同行検査業務の概要に関しては、こちらの記事(神奈川県の一級建築士が行っている住宅内覧会同行(立会い)検査の概要!)もご参考にしていただければ幸いです。

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2015年4月6日住宅内覧会

Posted by baum