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新居の引き渡し後、引っ越し時もしくは引っ越し前の重要な準備要素のひとつが「エアコン設置」です。このエアコン設置に関連した住宅トラブルは案外多いものなんですよね。今回は、特にトラブル要素の多い『戸建て住宅』に関してお話してみたいと思います。


エアコン設置を行う人(業者)の実情をまずは認識しておきましょう。

まず、一番最初に認識しておいていただきたいことがあります。それは、「本来エアコン設置は、電気施工技術の資格を有した技術者が行うのが望ましい要素」であるということ。これ・・本当はすごく大切なことなのですが、一般の方はほとんどご存じない要素だったりするんですよね。

「エアコン」は動力を有する「動力設備」に該当する要素となります。一般的には単なる家電として認識している人が多いのではないかと思いますが、換気設備などと同様に立派な住宅設備の一要素なのです。

それゆえに、「電源工事(100Vを200Vに変更など)」が必要となることもあり、そんな電源工事(電気配電盤の工事)を伴う場合には、電気施工に関する技術資格を有している人でないと設置工事自体が出来ないことと法的に定められています。

しかし、近年懸念材料となっているのが、エアコン購入を「家電量販店で行い、家電量販店に設置工事を依頼する」ケースが大半を占めるようになったこと。さらに「引っ越し業者に既存のエアコン設置を依頼する」というケースが増えてきていることです。

多くの方があまり認識されていないと思うのは、これら家電量販店及び引っ越し業者がエアコン設置する時には、自社で行うことは少なく基本的に「外注業者に依頼」しているということ。しかも、中には個人へバイトのような形で依頼しているケースも少なくないということです。そう・・エアコン設置をする人が、建築のこと、電気設備のことなどまったく知らない(知識がない)人も多々存在しているのです。

単に、「エアコンを設置する手順・方法」を身に着けたというだけの人がエアコン設置工事を行っているケースが少なくないため、エアコン設置工事に伴うトラブルが後を堪えない状況となっているものと考えられているのです。



住宅の耐久性を損なうトラブルを招く「スリーブ設置工事」

エアコン設置工事に関連しても最も重要かつ、ある意味取り返しのつかないトラブル要素となるのが「スリーブ設置に伴うトラブル」です。スリーブというのは、エアコン室内機と室外機を結ぶ配管(ドレイン管、冷媒管)を通すために設ける、壁の穴です。

一般的に新築マンションの場合には、スリーブが事前に設置(施工済み)された形で販売されていますので、問題とはならないのですが、建売戸建住宅の大半では、スリーブが未設置の状態(壁に穴のない状態)で販売されています。それゆえに、住宅購入者が引き渡し後にエアコン設置に伴って「スリーブ工事」も依頼することになるんですね。

ですから、スリーブ工事に伴うトラブルは、「戸建住宅(建売住宅)」が対象となっています。このスリーブ工事に伴うトラブル要素には複数の要素が存在しているのですが、代表的な要素であり、住宅機能的に大きな損失を与えるトラブル要素を3つ示しておきたいと思います。

 

1)重要な構造部材(柱、筋交い)を損傷(欠損)するトラブル。

 

これが最も取り返しがつかないほどの大きなトラブル要素であり、実態として、ドラブルが見つかっていないものも多々あるものと推測されることから、大きな問題となっているのが『住宅構造部材(柱・筋交い)の欠損トラブル』です。

簡単に言えば、スリーブ用穴あけを行うときに、住宅構造的にとても重要な構造部材「柱、筋交い」に穴をあけてしまったり、一部欠損してしまう・・そんなトラブル(施工ミス)があるということなんですね。しかも、これらのミスは、ミスを犯した本人(エアコン設置工事者)が気が付いていないこともあれば、ミスしたことを隠したまま放置しているケースも少なくないのです。

先に記したように、バイトのようなエアコン設置工事者の場合、建築的な知識などがほとんどないため、構造部材を損傷したことにすら気が付かないこともあるんですよね。しかも、気が付いたとしてもあまりにも大きなトラブル要素なので、そのまま依頼人に告げることなく、スリーブを設置してしまうことが少なくないのです。

何故、そんな状況が少なくないと言えるのかというと、住宅リフォーム計画などのご依頼をいただいたとき、実際にリフォーム工事をする中で、壁をはがしてみたときなどに、構造部材を損傷しているスリーブ状況が見つかることがあるからなんです。

 

柱の損傷

 

2)スリーブの設置方法の不適切。「勾配」

スリーブという要素は、「配管を通すためのルートを確保すること」が一番の機能となるわけですが、もうひとつ大切なのが、「エアコン配管類の結露を生じにくくさせること及び、結露水を壁内部に伝わらないようにする」という役割があるのです。

エアコン配管は、温度変化があるため状況によっては結露が生じやすいんですね。そこで発生する結露水量というのも、案外ばかにできないほど合計すると多くの水量となることがあるのです。単に、配管を通すだけであれば、壁に穴をあければよいこと。しかし、そこにスリーブと呼ばれる塩ビ製の筒状管を設置するのは、この「結露水対策」が重要な要素なるからなのです。

そこでスリーブを設置するときに必要となるのが「外へ向けて勾配を有する形でスリーブを設置する」ということ。スリーブ内で結露水が発生したときに、壁の外に向かって排水されるように、勾配をつけておくことが機能的に大切なポイントとなるのです。

しかし、一部のエアコン設置者は、しっかりとスリーブ勾配を設けることなく設置してしまうことがあるんですね。これは案外多くみられるトラブル要素(施工ミス)のひとつとなります。

 

3)エアコンの真裏にスリーブ設置してしまうことのデメリット。

一般的に、依頼者側が何も指示しなければ、エアコン設置業者は可能な限り「エアコン機器の真裏にスリーブを設置」するようにする傾向があります。これは、少しでも室内側に、エアコン用配管が見えないようにしたほうが良いだろうという見栄えへの配慮ではあるんですね。

もちろん、この配慮自体は良い要素ではあるのですが、私が建築士としての立場から機能性ということを考えたると、なるべく真裏ではなく、エアコン本体とは少し離れた場所にスリーブを設置するようにしたほうが良いものと考えています。その理由としては2つあります。

一つは、将来エアコン故障などでエアコン機器を買い替えなければならなくなったときに、エアコン真裏にスリーブ設置してしまうと、設置可能なエアコンが限られてしまう・・もしくは廃番などがあると設置できるエアコンが無くなっているということがありうるからです。エアコン機器によって、裏側から配管を出す位置がそれぞれ異なっているからなんですね。

二つ目は、最初に記した「スリーブ工事に伴う構造部材への損傷」のリスクを少なくするためです。機器裏側にスリーブ設置しようとすると、必然的に位置がピンポイントに決まってしまいます。そこに構造部材が存在していたとしても、その位置で工事をしてしまいやすくなるんですね。その結果、構造部材に損傷を与える大きなトラブルを生むことに。

基本的に、まず『構造部材が無い場所』を探してから、そこからスリーブ設置に最適な位置をさらに厳選していくというのが、トラブルを生じにくくするための施工手順となりますので。

 

 三階建て木造住宅ならではのトラブルがあることにご注意を。

近年増加している住宅形態のひとつに「三階建て木造住宅」があります。まだまだ普及途上ということもあってか、エアコン販売者側が三階建てならではの特性があることなどを理解していないケースが多々存在しているんですね。

現在、トラブルとして目立ってきている要素をひとつお話しておきたいと思います。それが家電量販店からエアコン購入する時のトラブルなのですが、「エアコンを購入する時は、何も設置する上で問題ないという形で家電量販店が販売したのにも関わらず、いざエアコン設置する段階になって、当方ではこの場所には設置工事が出来ません」と言われてしまう・・そんなトラブルがあるのです。

この場合、家電量販店はあくまでもエアコンの販売をしているだけなので、「返品などには対応していれるない」ケースが大半。あらためて、自分自身で別のエアコン設置施工者を探して以来することになるわけですね。

ポイントとなるのが「三階の部屋にエアコン設置する」とき。窓の有無や配置状況とエアコン設置位置との関係などで、三階の高さでスリーブ工事が出来ない(もともと家電量販店が外注しているような業者は、本格的な施工業者ではないので)ということになってしまうわけです。

 

エアコン専門の販売業者から購入&エアコン設置を依頼したほうが良いと思います。

少しでも、エアコンを安く購入して、安く設置したいという気持ちはわかりますが・・。正直建築士としての立場からお話すると、「一生に一度の高い買い物となる住宅に関した、各要素(特に住宅設備)に関しては、価格を重視するのではなく、質を重視して選ぶ」べきだと思っています。

エアコン購入・設置をする上で数千円単位どころか、数万円単位で価格が違ったとしても(高いと感じたとしても)、数長く機能を保ったまま、トラブル無くエアコンが活用できるほうが何倍もお得なわけです。

数千円・数万円単位の価格をケチったことで、数十万円~数百万円の補修費用が必要となったり、早々にエアコン買い替えをしなければいけなくなったりするケースは案外多く存在しているんですよね。先のケースのように、家電量販店から安く購入したはずが、結局あらたに別のエアコン設置業者に依頼しなければいけなくなっただけでも、「設置工事分」の費用が余分にかかることになるわけです。

それなら、最初から、エアコン専門の販売店&エアコン設置に関連した専門的な施工技術を有する業者に依頼したほうがはるかにお買い得となるものです。

エアコンに関わらず、せっかく購入した新居の最初の準備・必要要素なる住宅要素(設備、収納家具、電気など)に関しては、多少価格的には高くなっても、「質(機能)」「専門家、専門技術者、専門店に依頼する」ことが良い・・多くの実例から見てそう思います。

 

 

 

住宅の施工不良・トラブルは、今も昔も一定割合で存在している要素なのです。!

近年、「建売戸建住宅の漏水」「大型マンション躯体工事の施工不良(建物が傾く)」など、住宅の施工不良に関するトラブルが目立つようになってきています。社会背景によっても施工不良物件の増加があるもので、現在は、「災害復興需要」と「東京オリンピック需要」が重なる中、職人不足が大きな課題となっています。

そん中「工期短縮・厳守」の要望がもたらされる中で、工事の品質低下・作業員の意識低下が促進されている・・そんな悪循環が起こりつつあるんですね。この状態は、少なくとも2020年までは、続きますので、今後は益々、施工不良物件が増加傾向となることが推測できるのです。

ただ、近年大規模な施工不良物件が話題となっていますが、これらの出来事は今、新たに創出されてきた出来事というわけではないのです。時代の流れの中で増減の波はありますが・・昔から、ずぅ~と、建設業界の中に内在していた要素なんですね。

けして、昔のほうがちゃんと作られていたという意味ではなくて、昔も今も一定割合で存在しているのが「施工不良」であり、「人為的なミス」なのです。単に、現代では、インターネット環境など情報ツールが発達したことで、昔と比較すると圧倒的な情報量となったということ。

「施工不良」「住宅トラブル」が情報として表面化しやすくなったというだけのことで、昔から存在していた事象なのです。


 

住宅(戸建・マンション)のトラブルに対する心構え&準備はとても大切!

「注文住宅」の場合は、購入者側の努力・工夫によって、施工不良を限りなくゼロに近づけることが可能です。しかし「建売戸建住宅」「分譲マンション」を購入するケースにおいては、購入者側の力(思考・行動)によって、施工不良・トラブルを無くすことは出来ません。

建売住宅及び分譲マンションを購入するときには、かならず一定割合で「重大な施工不良・トラブルを抱えるリスクがある」ということは、しっかり認識(覚悟を持つ)しておく必要があるのです。

もちろん、施工不良などの要素は、「販売主」側に責任のあるもの。購入者側に責任はありません。ゆえに、販売者側が責任をもって、補償・対処をすべき要素ではあるのですが・・現実的には、販売主の企業体質や補償能力の有無などによって、希望する対応がとられるとは限らないのです。(こちらの記事「分譲大規模マンションが「終の棲家」に適さないと思う理由!」にも、施工不良に対する、対応が上手くいかない理由などを記していますので、ご参考に)

そこで重要な要素となるのが、「住宅トラブルに対する、心構え&準備を有しておく」ことです。経済的に余裕がある方であれば、何か住宅トラブルが生じた時には、別の住処に買い替える・・といった心構えを持っておくのもいいでしょうね。

ただ、多くの方は、終の棲家として住宅購入していることが多いもの。そこで、居住者が唯一可能な準備要素となるのが、「各種保険の効果的なラインナップの構築」なのです。

おそらくは、なんとなく社会人となったら「生命保険」に加入して、そして住宅を購入したら、「火災保険などの損害保険」に加入しているものと思いますが・・。それらの内容が、本当に現在の自分(家族)にとって効果的な内容となっているのか?

現在だけでなく、将来的な状況に対しても、対処可能な内容となっているか?をきちんと見極めておくことが重要なんですよね。

でも、多くの人が、保険加入時期が別々となることから、『保険の相互関係が上手く構築されていない』状態となっていることが多いものと感じています。

基本的に、保険は不足な内容(状況に沿っていない)となっていては意味を成しませんが、過剰な内容となっていても、経済的な負担が増すばかりで、適切なものとはなりません。

しかし、多くの方が多様な保険に関して、それぞれ異なる時期に加入していることから、保険内容にて補完できない状況となっていたことも多々あるんですよね。特に「生命保険」「火災保険」「自動車保険」が独立してしまっており、効果的な内容となっていないことがあるのです。

住宅の施工トラブルや自然災害での住宅損傷に対しては、「生命保険」「火災保険」「自動車保険」「家財保険」の相互関係を見直しておくのが有効な手段に。

 

基礎や躯体に関する重大な施工不良になるほど、それが表面化・認識できるようになるのには、「10年前後」の期間がかかることもあるものです。思いもよらない頃に、重大なトラブルに見舞われる可能性があるということ。

また、日本においては、自然災害のリスク(台風、地震、津波、噴火、竜巻、豪雪、ダウンバーストなど)は多種多様なものがあり、これらは、いつ訪れてもおかしくない・・そんな要素となっています。

そんな住宅損傷トラブルに対して、保険を組み立てる上で重要なのが「生命保険」「火災保険」「自動車保険」「家財保険」の関係性を見直しておくということです。

ひとつの保険種類だけで、トラブルに対応しようとするのではなく、複数保険の相互関係によってトラブルに対応できるようにしておくということなんですね。そうすれば、ひとつひとの保険料の過剰を防ぎ、保険料負担を軽減することもできたりするものです。

また、内容の精査も必須。火災保険などは、済んでいる場所・土地の自然環境特性を十分把握した上で、地震保険に重きを置く必要があるのか・・津波に対する補償の必要性有無、火山の影響有無、洪水リクス、竜巻リスクなど、自然災害リスクの順位付け(有無も含めて)をした形の保険内容とする必要があるのです。

正直、各保険に関して、ぞれぞれの保険会社に相談していたのでは、効率的なものとはなりません。そこで、おすすめなのが特定の保険会社の枠にとらわれることなく、しかも、多様な保険種類に対応可能な「保険コンサルティング」サービスです。

例えば、こちらのじぶんの保険(保険会社に属さないFPファイナンシャルプランナーによる保険無料相談サービス)など、まずは無料サービスの範囲内でご相談をしてみることをおすすめいたします。

保険会社専属の営業担当ではなく、どこにも所属しない保険のプロ(ファイナンシャルプランナー)が無料相談にのってくれるというのがポイント!保険会社への相談だと、その会社の保険商品しか、提示されることはありませんよね。しかし、保険会社と無関係な専門家だからこそ、様々な保険商品を比較した上で、最適な情報を教えてくれるのです。

また、「火災保険」は、ぜひ一度契約内容を精査しておく必要があるものと思います。新築住宅購入時に、しっかりと検討の上、火災保険を選んでいたとしても、年月が経過した現在、当時の火災保険内容が現状に対して不十分なものとなっているケースも少なくないもの。特に住宅購入時は、不動産会社や銀行から勧められた保険会社以外の保険を選ぶことが多く、案外きちんと比較検討されていないケースも多いものです。



火災保険も比較・検討が必要な時代となっています。不要な補償の保険料を支払っていたり、本当に重要な補償が外れていたりするケースを解消するためにも、一度、あらためて、様々な火災保険と比較してみてはいかがでしょうか。こちらの火災保険一括見積もり依頼サイトなどを活用すれば、自宅に居ながら、簡単に比較検討ができる時代となっています。突発的な自然災害
が身近になっているときですからね。火災保険の検証はやっておきたいものです。

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