マンション内覧会

どんな新築マンションにおいても、一定頻度で施工不良は存在するもの。

 

住宅購入を検討するときに、大半の人が「施工不良の有無」を気にするものと思います。近年、「建売型住宅」が多くなっている中、本来であれば、きちんと施工不良の有無を見定めてから、住宅購入できる・・そんな利点があるわけですが、「建売」なのにも関わらず、住宅施工前に購入契約(仮契約)をしてしまう・・そんな青田売り物件を購入する方が多くなっています。

それゆえに、「安心感」を求めてか、新築マンションにおいては、「ブランド志向」が定着してきているように感じています。大手と呼ばれるディベロッパーや建設会社によるマンションが人気の中心となっています。

ただ、誤解しないようにしていただきたいのは、大手のディベロッパー物件であるかどうかに関わらず「施工不良は一定頻度で存在する」ものであるということ。大手ディベロッパー物件だからといって、施工不良が無い(極端に少ない)というわけではないのです。

 

 

大手ディベロッパー物件にも大規模な施工ミスが存在します。実例:「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」

 

実際に毎年、大手ディベロッパーが手掛けた新築マンションにおいても、施工不良・施工ミスが話題に取り上げられることがあるものです。

昨年(2014年)最も衝撃のある話題となったのが、南青山に建設中であった「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」。この物件は事業主が三菱地所レジデンス、設計監理は三菱地所設計、建築施工者は鹿島建設、設備工事施工者は関電工といった、まさに大手企業連合にて計画されていたマンション物件です。

ここで発見されたのが「設備スリーブの大規模施工ミス」。設備スリーブというのは、給水管・排水管などの設備配管を梁や壁・基礎などに貫通させるための穴を意味しています。この設備スリーブ位置が設計図と大きく異なっていたり、数が不足していることが発覚したんですね。

躯体がかなり出来上がった段階で、施工ミスの問題が大きく取り上げられるようになったことから、修繕対応では無理と判断。結果的には、住宅購入予定者に契約破棄をしてもらうとともに、賠償金などを含めて、手付金を返還。建設途中の建物を取り壊し、新たに作り直すこととなりました。

大手企業の物件であっても、「躯体・建物性能」に大きな影響を与える施工ミスが発生しうることを示す実例と言えます。

ただ、このケースでもわかるように、大手ブランド物件の最大のメリット要素となるのが「堅実な保障対応」です。小さなトラブルに関しては、なかなか機敏に対応してもらえないということはありますが、このように大きなトラブルが生じた場合、きちんと保障(賠償など)を含めて適切な対応をしてくれるというのが、安心感につながるのではないでしょうかね。

 

 

購入者が住居を確認できる唯一の機会が「内覧会」

 

冒頭でもお話ししましたが、本来であれば完成した住宅(住居)を見てから購入するかどうかを判断するのが最適な住宅購入方法と言えます。しかし、現状新築マンションの大半は、工事着手前(工事中も含む)に購入の仮契約をしてしまうケースが多く存在しています。

そうなると、問題となるのが「多くの人が施工不良があろうが、なかろうが、その物件を購入することになってしまう」ということ。残念なことですが、それが現実なんですよね。

そこで、少しでも良き物件を住まうために重要となるのが「内覧会」です。住宅購入予定者が唯一住居を見ることができる機会が内覧会なんですね。単に「住宅見学」と考えてしまっている方も少なくないように感じるのですが・・それはとてももったいないこと(危険なこと)。

内覧会を活用して、しっかりと施工不良・施工ミスの有無や住宅環境チェックをすることをおすすめしたいと思います。

 

 

新築マンションの内覧会にて発見できる代表的な「3つの施工不良要素」!

 

私は一級建築士として数多くの新築マンション内覧会に立ち会わせていただいています。そんな経験から、住宅機能に影響する要素として、ぜひ内覧会時に、その有無を確認しておきたい代表的な「3つの施工不良要素」をご紹介しておきたいと思います。

この3要素は、一定割合で存在している施工不良要素。一般的に施工不良などは、契約上「2年以内」「10年以内」に発見された要素は無償で修繕してくれることとなっていますが、内装に関連する不具合のほとんどが「2年以内」の保証設定となっているんですね。

でも、新築時の施工不良などが実際に、表面化する(機能的に不具合と感じるようになる)までには、ある程度の時間がかかるもの。概ね施工後「2年~5年」の間に不具合が生じてくる傾向があるのです。ゆえに、現実的には瑕疵保証で対応できないケースが少なくありません。ですから、内覧会時にしっかりと不具合の有無を確認して、修繕しておく必要があるのです。

 

 

1)フローリングの施工不良(張り方不良)

フローリング

 

機能的な不具合へとつながる要素として、まず注視しておきたいのが「フローリングの施工不良」です。新築マンションにおいて、わりと存在している不具合要素のひとつです。

「フローリング同士の隙間が適切な状態となっているか」「フローリング材と下地板が適切に密着しているか(浮きがないか)」「フローリング床の局所的な段差の有無及び勾配の有無」が確認対象要素となります。

床のレベル(勾配)が適切かどうかは、測定機器(水平器など)を必要としますが、それ以外の2要素は、目視と触覚で判断可能な要素。有無をしっかりと見極めておきたいものです。

 

 

2)壁の下地材及びボード材(石膏ボード)の施工不良

内装壁

 

内装壁の下地材およびボード材(石膏ボード)の不良も案外多く見かける施工不良要素です。

「ボード材が適切に留められているか」「ボード材の傾き・膨れの有無」「ボード材同士のつなぎ目部分の隙間有無」などが代表的なチェック要素となります。こちらも、不具合を見過ごしていると、その後の地震などの振動が加わる中で、不具合が促進・表面化することに。こちらも2年後~5年後の期間に表面化しやすい要素といえます。

 

 

3)設備配管の接続不良

設備配管

 

そんなばかな・・と思うかもしれませんが、案外存在する不具合のひとつとなっているのが「設備配管の接続不良」です。

「設備配管が適切な長さに切断調整されていない」「配管の接続部が緩んでおり、微量な水漏れが存在」「必要な設備配管が未施工」といった不具合要素があるものです。これは、早々に機能的なトラブルが表面化する要素となりますので、しっかりと確認しておくことが必要な要素となります。

 

当方では、一級建築士として「内覧会立会い(同行)検査」を行っています。詳細はこちらの記事(神奈川県の一級建築士が行っている住宅内覧会同行(立会い)検査の概要!)に記していますので、ご参照いただければ幸いです。