寝室環境

日本の自然環境には、気候特性が大きく異なる「春・夏・秋・冬」の四季があります。これは自然環境が豊かな証であり、日本ならではの特徴と言えるもの。とても好ましい要素でもありますよね。

もともと、日本の生活様式・文化は、そんな四季のある自然環境に対応すべき手段・方法を模索する形で創出されてきた要素です。『自然と共生すること』を念頭に育まれてきた文化と言えるのではないでしょうかね。

ただ、現代社会は、技術の発達・利便性の追求によって支えられている社会となってきています。それは住宅環境にも及んでおり、四季・自然の流れに応じた生活というよりも、自然環境と隔離された居住空間を作り上げることによって、自然環境の影響を受けにくい住宅環境が構築されてきている・・そんな状況となっているように感じています。

「遮音」「気密性」「断熱性」など・・もちろん、ある程度は必要な要素ではありますが、過度な機能性の追求が、自然環境と居住環境との断絶を生み出してしまっているように、感じられてしまうんですよね。個人的には、とても残念なことだと思っています。

 

季節に応じて、快適な寝室空間(睡眠環境)を考えることの大切さ。

 

もともと、日本の住宅は、自然環境・四季に応じた柔軟性のある機能・構造を有したものとして、育まれてきました。ただ、先に記したように、現代住宅においては、そんな日本の生活様式・文化として育まれてきた要素が無くなり(排除)、自然環境と隔離された居住空間作りに重きが置かれるようになっています。

とはいえ、まだまだ季節に応じた配慮・対応は必要不可欠な要素となっています。住宅において、とても重要性が高い空間となるのが「寝室」です。居住者の健康(心身の健康)を最も左右するのが、睡眠ですからね。

多くの方が、インテリア環境作りをするときに、最優先しているのが「リビング」と「キッチン」だったりします。「寝室」はわりと、軽視されているケースが案外多いんですよね。でも、寝室をどの位置(方位)に配するのか、から始めて、最初に考えるべきなのが「寝室空間」なのではないかと、私は思っています。

季節に応じて、快適に過ごせる寝室環境(睡眠環境)をどのように構築するのかが、最も大切な情環境要素なのではないでしょうか。

 

適切な寝室環境を作るためには、住宅の機能・構造への理解が必要。

まず、最初に知っておいていただきたいのが、適切な寝室環境を作るためには、「住宅が有している機能・構造を理解しておく」ことが必要となるということです。

細かな説明は省きますが、「戸建て木造住宅」「戸建てRC造住宅」「RC造マンション」では、住宅の機能・構造が大きく異なるのです。寝室環境を考える上で、これたけは理解しておいていただきたいのが、「床構造(床下の仕組み)の違い」です。

簡単に言うと、戸建て木造住宅の場合は、夏の湿度対策が重視されることから、「床下が外気と繋がった構造」となっているということ。平たく言えば床下は、外部と同じということです。

ゆえに、戸建て木造住宅の場合、冬の寒い季節となると「一階の床がとても冷やされる」のです。昔は、この仕組みに対応するためにと、「畳」が床材として多用されていたんですよね。畳は、冷たさを伝えにくい素材であり、床の冷えを抑えてくれるのです。

しかし、近年では「フローリング材」が主流となりました。日本の自然環境に適している畳は、ほとんど使われなくなっています。フローリング材でも、昔ながらの「無垢材(すべてが木材)」であれば、冷たさを伝えにくい素材となるのですが・・。残念ながら近年では、戸建て住宅であっても、「シートフローリング」と呼ばれる木材ではない建材が使われるようになっています。

ゆえに、畳と比較すると、はるかに冷たさが伝わりやすいんですよね。(もちろん床下には断熱材が施されていますが、床材自体に温かさがないということです。)

 

マンション(RC造)の場合は、戸建て木造住宅と仕組みは異なるのですが、コンクリートという素材は、地面(土)の冷気によって、冷やされやすい素材なのです。ですから、マンション一階の床(コンクリートの床躯体)は、冬の寒い季節、とても冷たくなりやすいということ。

その上、マンションの床は、昔は「絨毯」が多く使われていたのですが、近年では、シートフローリングが主流となっています。床コンクリートの冷えが伝わりやすいんですね。断熱材は施されていても、「冷え」「冷たさ感覚」が感じられやすい床素材・構造となっていると言えるのです。

 

 

快適な睡眠環境作りのために「畳」を上手く活用しましょう。

置き畳

 

そんな現代の住宅構造・機能を理解した上で、少しでも冬の季節に寒さをやわらげ快適な睡眠環境を構築するためのポイントをいくつかお話ししたいと思います。

まず、最初の要素となるのが「置き畳」の活用です。シートフローリングの床に敷布団を敷いた状態だと、どうしても床面からの冷気を受けやすくなってしまいます。そこで、最も手軽に、そして日本の生活様式・文化を取り入れることができるのが「置き畳」なんですね。

畳の使用量は減少傾向ではありますが、そんな中でも近年、需要が伸びているのが、こちらのようない草 置き畳(ユニット畳)です。手軽にオンライン上で購入できる商品となっており、しかもユニットで安く購入できるようになっているんですね。

一人用の敷布団空間を考えると「6枚セットの置き畳」を購入すれば十分かと思います。上記写真のようにフローリング上に置き畳をセット。そこに敷布団を敷く形で睡眠スペースを構築するのです。

 

 

敷布団の配置位置の工夫。「壁の給気口下」から離す。

 

二つ目の工夫が、「敷布団の配置」です。近年の住宅には、各部屋の壁に給気口が取り付けけられています。ここから、外気が直接取り入れられているんですね。冬の季節は、給気口から冷たい空気が流入してきます。とはいえ、給気口を閉じてしまうのは、お部屋内の空気環境を悪くすることになりますので、給気口を閉じることはしないように。

ただ、敷布団やベッドの配置を決める上で、なるべく給気口下(給気口がある位置)には、敷布団やベッドを配置しないようにする。給気口から少し離れた位置とするだけでも、冷気による影響をかなり軽減することができます。「給気口の存在」をしっかりと意識しておいてくださいね。

 

 

冬の寒さ対策となる敷布団の素材。ウレタンフォーム素材。

3つ目は、敷布団の工夫といいますか、冬の寒さ対策となる敷布団に関する話です。就寝中、人の体温が逃げていくのは大半(7割以上)が「敷布団」からだと言われています。ゆえに、敷布団自体にに保温性と断熱性があるものを選ぶのがとても重要な要素に。

「冬の寒さ対策」に有効な敷布団素材となるのが「ウレタンフォーム素材」です。

ウレタンフォーム

 

ウレタン素材は、断熱材として使用されているもの。断熱性がとても高い素材です。でも、逆に言うと「夏場の暑さ」は助長してしまう特性があるということは認識しておいてくださいね。基本的には、季節に応じて、寝具を使分けるのが最善なのです。

また、もうひとつ注意が必要なのがウレタン素材は、気温が低くなると固くなる特性があるということ。ゆえに、一般的な(安価な)普通ウレタンや低反発ウレタン素材は、寝心地が悪くなる可能性があるのです。

ゆえに、ウレタン素材といっても、日本の生活環境に応じて研究・開発された機能性ウレタン素材(高反発ウレタン+通気性を付加)を使用して作られた敷布団を選ぶようにしていただければと思います。

例えば、そんな敷布団(マットレス)として、今高い人気を得ているのがこちらの高反発マットレス「モットン」です。高反発機能ウレタン+通気性を付加した独自の素材を使用して作られているマットレスです。

モットン

体圧分散機能も有するマットレスとして、日本で高い支持を得てきており、腰痛改善のためのマットレスとしても位置付けられています。サイズは、シングルからダフルまでありますが、一人用だとしても、できれば「シングルサイズ」ではなく「ゼミダブルサイズ」としたほうが、安眠を得られるのではないかと思っています。

寝返りするときに、横幅が広いほうが、眠りが妨げられにくいものとなりますからね。