寝室づくり

日本の住宅環境を考慮した寝室インテリア計画を!

 

健康を維持する上で、重要な要素のひとつが”睡眠”です。ゆえに、建築士として、住宅や宿泊施設を設計・計画するときに、細やかな配慮を心がけておきたい空間となるのが「寝室」なんですよね。建築設計と共にインテリア計画を手掛けることが出来るケースは、少ないものですが・・。寝室空間を設計するときには、かならずインテリア計画の想定は、行うようにしています。

それだけ、「寝室」という空間において、インテリア計画は重要な要素となるわけです。

しかし、近年、住宅の多くが”建売戸建て住宅””分譲マンション”となる中、寝室を上手く空間構成出来ていないご家庭も少なくないように感じています。好ましい寝室インテリア計画となっていないがゆえに、安眠が得られなかったり(睡眠不足)、睡眠中の体の痛み(腰痛、背中痛、腕のしびれなど)を感じてしまうというケースも、少なくないものと思っています。

そこで、今の日本の住宅環境に適した、インテリア計画・寝室づくり上の重要視すべき5つのポイントについて、お話してみたいと思います。

sponcord-link

 

 

1.ベッド(敷布団)は、壁にピッタリくっ付けない配置に!

 

近年、日本において、「リビング」はなるべく広めに計画される傾向があるのですが・・。相反する形で、「寝室」は狭めの住宅が多いのが実情となっています。そんな”狭い寝室空間”だからでしょうか、下記写真のように「ベッド(敷布団)を壁にピッタリ付ける形で配置」している方が少なくないんですよね。

 

ベッド配置

 

この形のほうが、なんとなく寝室が有効に使えるような気がするのも要因のひとつと言えそうです。

 

しかし、”安眠を得るため”には、このようなベッド配置は好ましくないのです。安眠を得る上で、大切な要素のひとつに「適切な寝返り」という要素があります。睡眠研究から、平均的に、一晩で”15回~30回程度”の寝返りをすることが好ましいものと考えられています。”寝返り”は、睡眠中の体の痛み(腰痛、背中痛、腕のしびれ、肩痛など)を生じさせないためにも重要な要素となります。

そんな大切な”寝返り”が上記のような「壁に付いたベッド配置」としてしまうと疎外されやすくなってしまうんですね。人は無意識のうちに、睡眠中においても、壁の圧迫感を感じることがわかっています。ベツドが壁に付いた配置としてしまうと、”壁方向に寝返りがしずらくなる”ことがわかっています。寝返りが無意識に疎外されることとなるのです。

このような、「心理的要素」が存在していることも、建築・空間設計者としては、重要視しているもの。例えば、宿泊施設などを計画するときには、なるべく下記写真のように、壁とベッドとの間に適度な”隙間”を作るように計画しています。

 

ベッド配置

 

こうすることによって、「壁への心理的な圧迫感」が無くなり、適切な寝返りが確保。安眠を得やすい寝室となるのです。

 

住宅においても同じこと。ベッドと壁との隙間は「40cm~50cm」程度確保することを心がけていただければと思います。その上で寝室空間を有効に活用するための工夫として、隙間空間に「サイドテーブル(サイドチェスト)」を配するのがおすすめ。ベッド利用ではなく、敷布団・マットレス敷きとするときには、高さ30cm以内の収納家具を配置すると”自然な隙間”を確保できるだけでなく、寝室の機能性を高めることにも繋がります。

 

ベッド配置

 

 

 

2.寝室の「畳床」は減少。「フローリング」上にマットレス・敷布団の敷くときは『除湿』を!

 

近年、寝室に”畳”が使われるケースは少なくなっています。戸建て住宅でも、マンションにおいても寝室の多くに「フローリング」が使用れています。フローリングといっても、昔のように「無垢材(木材)」が使われるケースは激減。価格の安さやメンテナンスのしやすさといったことから、現在、使われている多くが”シートフローリング”と呼ばれているもの。表面は、紙に木目が印刷されたもので木材ではありません。

この”寝室床の素材変化”も、実は大きなポイントのひとつなんですよね。そもそも、敷布団を床に敷くという生活文化を有していた日本において、「畳」は、とても機能性の高い要素でした。人は睡眠中多くの水分を発散しています。睡眠中の発汗の多くが寝具(掛け布団、敷布団)に吸収されるんですね。敷布団に吸収された水分(汗など)が、上手く発散されないと「カビの発生」「ダニの増殖」「寝苦しさ」をもたらす要素となります。

”畳床”は、そんな敷布団の水分を上手く吸湿してくれる機能性を有しているのです。カビの発生や寝苦しさを軽減してくれる役割を担っているのです。

しかし、近年の「シートフローリング」には、そんな機能性(吸湿性能)はありません。ゆえに、フローリング上に敷布団やマットレスを配置・活用した場合、「水分(汗)の発散」に大きな課題が存在することとなるのです。フローリング上に直接、敷布団やマットレスを敷いていると、敷布団・マットレスの底部に”カビが発生”しやすくなるとともに、敷布団・マットレス内部の湿度が上手く発散されない(夏の寝苦しさ)ことに繋がってしまうのです。

そこで、重要になるのが「除湿対策」。まずは、夏季節においては、睡眠時(一定時間でもOK)にエアコンを上手く活用することも、大切な要素となります。睡眠時のエアコン利用に抵抗感を感じる方も少なくないようなのですが、高気密環境となっている近年のマンションなどにおいては、特に「エアコンよる除湿」は必要な要素となるもの。気密性が高すぎるがゆえに、室内で発生した水分が上手く排出されにくい空間となっているのです。

「冬の加湿」にばかり、注目を集めていますが、「夏の除湿」をおろそかにすると住宅を損傷する大きな要因となるのです。

 

もうひとつ、さらに効果的な対策となるのが「寝具用除湿マット(除湿シート)」の活用です。敷布団・マットレスを直接フローリング上にに敷いてしまうのではなく、敷布団・マットレスの下(フローリングとの間)に、専用の除湿マットを敷くことによって、「カビの発生」「ダニの増殖」「寝苦しさ」を軽減することに繋がります。エアコン利用に抵抗感がある方には、ぜひ、活用していただきたい必須アイテムと言えるもの。

具体的な商品としては、こちらの「モットン除湿シート」が、除湿機能の高さや使い勝手の良さから、高い人気を得ています。天日干しをすることで、繰り返し除湿機能を保てるのが販売数を伸ばしているポイントとなっているのかもしれません。

 

 

3.寝室の腰窓に付けるカーテンは、ベッド高さよりも低い位置まで届く長さに。

 

一般的には、掃き出し窓であれば、床を擦る程度にカーテン長さを計画。腰窓であれば、窓下端よりも、”10cm”程度長くなるようにカーテン設置することが目安と言われています。新築住宅などへお引越しをするときに、誰しもが最初に考えるのが「カーテン設置」だったりしますよね。

ただ、寝室に関しては、この常識(カーテン長さ目安)にあまり捉われないほうが良い(機能的)ものと私は考えています。ポイントとなるのは、「カーテンから侵入してくる冷気」の問題なんですね。冬季節において、冷気の侵入(冷気の流れ)は、睡眠を阻害する要因となるもの。冷気の流れを意識しておくことは、寝室のインテリア計画にとっても大切な要素となるものです。

具体的には、寝室の窓が「腰窓(窓の下に腰壁がある状態)」であった場合、ベッドを利用するのであれば、腰窓に付けるカーテンをベッドの高さよりも低い位置まで届く長さにする。敷布団・マットレス敷きであれば、床面まで届くカーテン長さとすることが、おすすめとなります。

それは、一般的な目安のように、腰窓下端から10cm程度のカーテン長さとした場合、基本的に冷気は多少カーテン下から室内に流入してきます。冷気は、通常空気より重たいため、床面周辺にたまっていくのですが、この時、窓近くにベッド・敷布団を配置していた場合、冷気の流れが直接、睡眠中の人に当たりやすくなってしまうのです。

この”冷気の流れ”が直接睡眠中の人に当たらないようにする工夫が「カーテンを長めに設置する」という方法なのです。開きタイプのカーテンを利用していると、腰窓なのに、床面付近まで到達する長さとしているのに、違和感(見栄え上)を感じるとこもあるかもしれませんが、安眠を得ることを考えると、カーテンを床面までの長さとしておいたほうが良いわけです。

そこで、インテリアの見栄えも重視することを加味すると、おすすめなのが「ロールカーテン」なんですね。ロールカーテンは閉めたときの高さを自由に設定できるのが、機能的なポイントとなるもの。睡眠中は、床面付近までロールカーテンを閉めておくことで冷気を防ぎ、日中はロールカーテンを上げておけば、インテリア空間としての見栄えもgoodとなものとなります。

 

 

4.冷気の影響を受けないために「給気口とベッド位置関係」にも気を配っておきましょう。

 

現代住宅には、「24時間換気システム」の設置が義務付けられています。戸建て住宅でもマンションでも、各部屋にはかならず「給気口」が設置されています。給気口タイプにもいくつか種類がありますが、最も汎用的なのが、壁に穴をあけただけの自然給気口です。

 

 

形は、上記写真のような「四角デザイン」もあれば、「丸デザイン」のものもあります。埃の侵入を防ぐための”フィルター”が設置されていますが、基本的に、外部と直接つながっており、外気が直接侵入してくる場所となっています。(給気)

給気口デザイン及び位置によっては、給気口付近(主に下方向)の空気の流れを強く感じる場所も存在するんですよね。夏場は、湿度の高い、暑い空気が。冬場は、乾燥した冷たい空気の流れを感じることとなります。

この暑い&冷たい空気の流れが睡眠中の人に直接あたってしまうと、睡眠を阻害する要素となってしまいます。ゆえに、「給気口」と「ベッド」との位置関係を流入する空気の流れの影響が無いものとすることも大切なポイントのひとつとなります。

 

 

5.日本の生活環境に適したマットレス素材の商品を活用しましょう。

 

日本の生活環境の最大の特徴が「四季がある」ことです。夏季節は、高温多湿の環境に。冬季節は低温乾燥の環境といった形で、一年の時間経過の中で、気温と湿度環境が大きく変化するのが日本の生活環境ならではの特徴となっています。

そんな日本の生活環境下に適した寝具(主にマットレス・敷布団)を使用することも大切な寝室計画のひとつです。

具体的なポイントとなるのが「通気性の高い素材」であること。「気温変動により特性(主に硬さ)が変化しない素材」であることです。実は、低反発マットレスに使用されている素材(低反発ウレタン)のほとんどが、通気性が低く、気温変動によって硬さが変化してしまう性質を有しています。日本の住環境・生活環境下にいおいては、低反発マットレス(低反発ウレタン素材)は適していないということ。近年、高反発マットレス人気の背景には、このような機能的要素が関連しているのです。

現在、人気の敷布団・マットレスに関してはこちら「腰痛軽減!人気のマットレス&敷布団ランキング」をご参照いただければと思います。

またマットレス・敷布団選びをする上では、環境に適した素材を使用しているかどうかも大切な要素となるのです。詳細な情報は、こちら「高反発マットレス特集!高反発マットレスを効果的に活用するためのおすすめ使い方ポイント」をご参照してみていただければと思います。

 

sponcord-link